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「桜井姫那ー!!好きです!!!付き合ってください!!!」
こんにちは。ご存知の通り、桜井姫那です。
未成年の主張って知ってるかな?私の学校の、文化祭でいまそれが行われているところです。
ここにいたるまでの回想をしようと思います。
あれは1週間前。
「頼むよ姫那!!」
「えぇ!?無理無理!!」
頭を必死に下げている私の友達の比奈。
「お願い!!姫那!!いや、姫那様!!!どうか未成年の主張に、参加してください!!!」
どうやら、人数が足りないらしい。毎年このイベントはとても盛り上がる。なので、人数が少ないと面白くないのだろう。で親友の私の所へ来たのだ。
「だーかーら、無理!私が叫んどところで何にも面白くないから!!好きな人がいるわけでも、言いたいことがある訳でもないから!!」
「そー言わずにさぁ。」
「ん?なにやってんの?あ、未成年の主張?」
このタイミングでやってきたのは幼なじみというより、腐れ縁の西条幸翔だ。
「そーだ、幸翔。私の代わりに出てよ!好きな人いるんじゃない??告白しちゃってよ!!」
「おいおい。無茶言うなよ。」
もう、必死だ。元々叫ぶのは苦手だし、叫ぶと翌日必ず喉潰れてる。喉・・・強くないし。
「そそそそ、それに!!未成年の主張で告白って、凄いと思うよ!?」
恥ずかしいながら、この時の事あんまり覚えてないけど、幸翔が赤面したのは覚えてるんだよね。
「まじかぁ、えー。」
ちょっと間があったけど、覚悟を決めたようだ
「じゃー出るわ。えっと、告白部門にエントリーしといて。じゃ。」
説明忘れてたけど、この学校の未成年の主張は部門に別れている。友情部門。部活部門。後悔部門。相談部門。かまちょ部門。そして告白部門。
かまちょ部門は意味不だけど、何気に人気がある。でも1番盛り上がるのは告白部門。カップル成立率はうん。五分五分ぐらい。笑
面白半分で参加する人も少なくない。
「「ほんと!?ありがとう!!幸翔!!」」
もう、豆みたいに小さくなってしまった幸翔の背中に私は叫んだ。
「ねー、姫那も未成年の主張出てよ。」
「は!?」
ジリジリと比奈が寄ってきた。
「な、なんで!?幸翔が出てくれるんだし、いいじゃん!?」
「そーもいかないの。人は多い方がいいし。」
結局なの!?
「友情部門でいいから!!」
「えぇ。」
そのまま押し切られて私は友情部門にエントリーされてしまった。
『つづきましては、かまちょ部門です。エントリー2年4組番佐賀春翔、どうぞ。』
順調に未成年の主張が進んでいる。
「はい!!俺は、彼女が欲しい!!!!誰かなってくれえぇぇぇぇぇえ!!!!!」
かまちょ部門は自由にみんなが叫んでいる。
今回は1人しか居ないようだ。
『告白部門にうつります。1年1組西条幸翔、どうぞ。』
あ、幸翔だ!
「桜井姫那!!!」
え、私?
みんなの視線が私と幸翔に集中する。
「好きです!!!付き合ってください
!!!」
!!!!私だったの!?えぇ。私が誘ったから!?やばいなぁ。
「ずっと、初めて会った時から、ずっとずっとすきでした!!!!」
幸翔・・・恥ずかしい。
すぅ・・・
少しぐらいいいよね。後でどうせ叫ずつもりだったし。
《そして私は叫んだ。》
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