未成年の主張

1/1
前へ
/1ページ
次へ
「桜井姫那ー!!好きです!!!付き合ってください!!!」 こんにちは。ご存知の通り、桜井姫那です。 未成年の主張って知ってるかな?私の学校の、文化祭でいまそれが行われているところです。 ここにいたるまでの回想をしようと思います。 あれは1週間前。 「頼むよ姫那!!」 「えぇ!?無理無理!!」 頭を必死に下げている私の友達の比奈。 「お願い!!姫那!!いや、姫那様!!!どうか未成年の主張に、参加してください!!!」 どうやら、人数が足りないらしい。毎年このイベントはとても盛り上がる。なので、人数が少ないと面白くないのだろう。で親友の私の所へ来たのだ。 「だーかーら、無理!私が叫んどところで何にも面白くないから!!好きな人がいるわけでも、言いたいことがある訳でもないから!!」 「そー言わずにさぁ。」 「ん?なにやってんの?あ、未成年の主張?」 このタイミングでやってきたのは幼なじみというより、腐れ縁の西条幸翔だ。 「そーだ、幸翔。私の代わりに出てよ!好きな人いるんじゃない??告白しちゃってよ!!」 「おいおい。無茶言うなよ。」 もう、必死だ。元々叫ぶのは苦手だし、叫ぶと翌日必ず喉潰れてる。喉・・・強くないし。 「そそそそ、それに!!未成年の主張で告白って、凄いと思うよ!?」 恥ずかしいながら、この時の事あんまり覚えてないけど、幸翔が赤面したのは覚えてるんだよね。 「まじかぁ、えー。」 ちょっと間があったけど、覚悟を決めたようだ 「じゃー出るわ。えっと、告白部門にエントリーしといて。じゃ。」 説明忘れてたけど、この学校の未成年の主張は部門に別れている。友情部門。部活部門。後悔部門。相談部門。かまちょ部門。そして告白部門。 かまちょ部門は意味不だけど、何気に人気がある。でも1番盛り上がるのは告白部門。カップル成立率はうん。五分五分ぐらい。笑 面白半分で参加する人も少なくない。 「「ほんと!?ありがとう!!幸翔!!」」 もう、豆みたいに小さくなってしまった幸翔の背中に私は叫んだ。 「ねー、姫那も未成年の主張出てよ。」 「は!?」 ジリジリと比奈が寄ってきた。 「な、なんで!?幸翔が出てくれるんだし、いいじゃん!?」 「そーもいかないの。人は多い方がいいし。」 結局なの!? 「友情部門でいいから!!」 「えぇ。」 そのまま押し切られて私は友情部門にエントリーされてしまった。 『つづきましては、かまちょ部門です。エントリー2年4組番佐賀春翔、どうぞ。』 順調に未成年の主張が進んでいる。 「はい!!俺は、彼女が欲しい!!!!誰かなってくれえぇぇぇぇぇえ!!!!!」 かまちょ部門は自由にみんなが叫んでいる。 今回は1人しか居ないようだ。 『告白部門にうつります。1年1組西条幸翔、どうぞ。』 あ、幸翔だ! 「桜井姫那!!!」 え、私? みんなの視線が私と幸翔に集中する。 「好きです!!!付き合ってください !!!」 !!!!私だったの!?えぇ。私が誘ったから!?やばいなぁ。 「ずっと、初めて会った時から、ずっとずっとすきでした!!!!」 幸翔・・・恥ずかしい。 すぅ・・・ 少しぐらいいいよね。後でどうせ叫ずつもりだったし。 《そして私は叫んだ。》
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加