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家に帰った銀正男は、奥さんとイチャイチャしたかったが、娘の梨花が熱を出して大いに慌てた。
慌てて本邸に駆け込み、家の人間に聞いて回ったのだった。
「小さい子供はよく熱を出すもんだ。今日は色々あったからな。ああそうだ。私の弟はおたふく風邪で寝込んでいたんだ。今日完治したがマンプスウイルス自体は生きていたんだな」
娘はこともなげに言ったが正男は激怒した。
「ふざけんなお前!ハナちゃんだってまだおたふく風邪になったことないんだぞ!ハナちゃん無事か?!」
「だいじょうびだしゅ。ちょっと熱と顎が痛いだけだお。ふう」
倒れた嫁と娘を抱えて狂乱していたところで、家の主人は言った。
「碧は一日で治ったが、心配なら近所の新しく出来た医者に行ってみろ。珍しく人化オーガの専門医だ。今後の最先端医療になるだろう。ネットで検索しろ」
何か妙にわざとらしく言っていたような気がしたが、正男は気にせず、病院に駆け込んだ。
鬼のお医者さんという胡散臭い看板をスルーして診察室に入って声を上げた。
「お前何してんだあああああああああああああ?!」
普通にいた鬼のお医者さんはよく知っている奴だった。
「心を入れ換えてお医者さんをしています。人化オーガの診察については任せてください。ボクはプロですから」
組んだ足が妙に艶めかしい女医は言った。
そりゃそうだと、正男は妙に納得していた。
勘解由小路は、居間の勘解由小路専用ソファーに腰かけて、一人黙考していた。
吉備津彦を甦らせたのは誰か。それを誰も気にしなかったのは良かった。
お茶の濁しようがないからな。
だが、まあそんな気はしていたんだ。
あの日、ソウルスライサーで分割した真琴の魂。邪悪な片割れは封じた。
まだいるんだな。蛇はやはり、しつこいようだ。
どこで生きているんだ?お前は。
原初の毒婦リリス。
はっきりと相手を特定していたとしても、容易に斬獲出来るのか?
気がつくと、真琴が開けた扉に凭れていた。
「どうしたんだい?真琴」
「お仕事の予定だったのですが、降魔さんが物思いに耽っている姿がカッコよすぎてキャンセルしました」
かつてのリリス。勘解由小路真琴が、シャツのボタンを自ら引き千切った。
大きなおっぱいがプルンと揺れた。
勘解由小路の中から、全てはすっ飛んでいった。
「うわあああああい!小さいお子さんに気を使っていたがそれも終わった!子供達は学校行ってるし、ひーさーしーぶーりー!マコマコおいで!」
「ニュルン♡」
胸に飛び込んできたおっぱいに顔を埋め、ポケットにねじ込まれたヒモパンの感触を感じながら、ソファーの上で激しい子作りを始めた真理に到達したおっさんの姿があった。
あっさり封じはしたが、リリスの言によれば、あいつは俺と同等の存在で、俺だったらあんな封印は意味をなさない。
あいつが邪悪かどうかは別だが、多分最もタチが悪い女であることは確かだ。
でもいいや!今はアリスちゃんが!ああアリスちゃん柔らかいしビチョビチョだし!
ずっしりとのしかかる最大の敵はやっぱり嫁だよな。今はみっちりとオスヘビちゃんを締め付けてるが。
こうして、今日も勘解由小路の日常はこともなく過ぎていくのだった。
今度こそ了
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