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問いかけ
硬直――からの絶句。脳内はフリーズし、ただ唖然としてしまう。
なぜ、こうなるに至ったのか、発端は数秒前の一言だった。
「丹羽さんさ、死ぬまでにしたいことってある?」
尋ねてきたのは、隣席の名越くんだ。興味津々でも笑顔でもなく、至って普通の顔で尋ねてきた。昼休みに突入し、給食に手を付けようとした直後の出来事だった。
なぜ硬直したのか。最大の理由は、彼とは一切の交友がなかったからだ。
なのに、脈絡もなしにあんな問いを掛けられたら、普通は戸惑うだろう。なんて、友と言う存在を知らない私に、実際のことは分からないが。
私の性格が内気で引っ込み思案だから――ではないと思いたい。
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