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格付け電車
遠くない未来、どこかの小さな国のお話。
世界は深刻なエネルギー問題に直面し、人口は
最盛期の半数以下まで、落ち込んでいた。
ある小国では、エネルギー問題の解決に向け、ある政策が取られていた。
それは産まれて、10歳になる子供達を集めて、とある電車に乗せるのだ。
その電車は、小国の外側から、国の中心に向けて、
進んでいく。
電車の中では、学力テストが行われ、より成績の高い者ほど、国の中心に行き、エネルギー問題を解決する科学者になるべく英才教育を受ける仕組みとなっている。
賢くないと認定され、国の外側で下車される者ほど、貧しく過酷な肉体労働を強いられる仕組みだ。
そんな小国の一番外側にある地区で下車された子供に、大人はこう話しかけた。
「よかったなお前は。国の中心に行くほど、本当に叶いかも分からない、エネルギー問題の解決に向けて、うんと勉強を強いられるんだ。もちろん、他人との競争も避けられないし、毎日毎日、疲弊して行くんだ。 え?ここ?ここは誰からも期待されてないし、貧しいが、それなりに楽しい毎日を暮らせるぞ。汗かいて働いて、安酒を呑んで、歌って寝る、そんな毎日だな」
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