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「きみの助手が仕事をしたそうにしているぞ」
シザが、近くなった岸を指した。
セリはそちらを見た。
手を伸ばして振ると、少年も懸命に振り返した。
「シザ……先に、浮橋をつけていいかな」
「了解」
シザは空へ向けて煙を吐いた。
セリは浮きの端を持って岸まで泳いだ。レンがうれしそうに駆け寄ってくる。
いま橋をつけるから渡って来いよ、とセリが言うと、小躍りせんばかりに喜んだ。
セリがつけたばかりの浮橋を渡ってきたレンは、真剣な顔でシザを見上げた。
「ぼくに出来ることがあればお手伝いします。邪魔なら……帰ります」
シザは無表情のまま、セリのほうへ頭を傾けた。
「今日の現場監督は彼女だ。彼女に訊くがいい」
レンがセリに視線を向けると、彼女は頭を掻いた。
「えっと……そうだな。昨日と同じようにまず……」
セリの指示を、レンは一言も漏らすまいと真剣に聞いた。
シザが制動装置をはずすと、風車は力強く回りだした。付け替えられたシャフトが歯車を経由して、なめらかに動いている。
青い空をバックに大きな羽根がゆったりと回るさまは、なかなか壮観だった。
「ベークが硬化するまで、帆はたたんでおいたほうがいいだろう」
シザの表情は清々しい。
「あとはレンがやってくれるさ」
セリは頼もしげにレンを見た。
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