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恐怖
17時。予報では晴れと言っていたはずの空が泣いていた。傘を持っていなかった僕は家でのケーキを楽しみに公園で雨宿りをしていた。隣にはスーツを着たかっこいい男性がいた。あまり人との距離が近いのが苦手で少し離れる。
「はは、怖かったかな?」
気づいたのかそう言って笑った。コミュ障の自覚がある僕はもちろんなんて返せばいいのかわからず、申し訳ないと思いつつ黙っていた。
「雨止まないな」
「………そう、ですね…」
「…答えてはくれるんだね」
お兄さんは少し驚いたのか間を開けて言った。それからお腹すいたねとか学校の話とか雑談をかれこれ30分した。話すうちに面白くて、自分の話すペースに合わせてくれて、いい人なのが分かり自分からも話すようになった。
「ね、髪に何か付いてるよ」
「え?どこですか?」
お兄さんの方の髪を漁った。
「ここだよ」
そう言ってお兄さんがとってくれた。
「ありがとうございます」
お兄さんのほうを向いて頭を下げた。
「顔、かわいいじゃん」
「へ?」
「ずっと下ばっかり見て、こっち向いて話してくれなかったからね」
「あ…その…僕、話すのが苦手というかあまり話したくなくて……」
「そっか、じゃあ話しかけたの迷惑だったかな?」
「い、いえ…お兄さんはいい人なので大丈夫です…」
「俺いい人なの?」
コクリとうなずく。
「そうなんだ、ね、こっちに来てよ」
「どこにですか?」
とりあえずお兄さんについて行くことにした。お兄さんが止まったところは、雨宿りをしていたところの裏で「ここに立って」と言われた掃除道具のロッカーの横に立った。お兄さんはロッカーの反対側から僕のほうを見ていきなり覆い被さる様に抱き着くとベルトを外し始めた。
「な、何してるんですか」
「ん?俺はいい人なんでしょ?大丈夫だよ」
「大丈夫じゃないですよ…あっ」
ズボンを下ろされ、下着も下ろされて乱暴に触られた。怖くなって大声を出そうとした。ふと頭に自分が何かを欲しがったら誰かが傷つくんじゃないか。そう思った。助けを求めちゃダメなんだ。そう思い、痛いのを我慢しながら無理矢理入れられ、さっきまで優しかった目の前にある怖い顔を震えながら、泣きながら見てることしかできなかった。
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