6.覚悟

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6.覚悟

…また成功してしまった。 歯磨き粉が飛び散らなかった時点で僕の計画は失敗なのだが、せめて中身が出ないでほしかった。 いつの間にやら集中している間に少しくらい別のことを考えたとしても、成功できる力がついていた自分の成長に対する喜びと、結果として仕返しが出来なかったことへのショックで感情がぐちゃぐちゃになり天を仰ぐ僕の肩を、嬉しそうにバンバン塚田が叩いている。 「おおー!三上ありがとうなー!!」 …ああ、もう、嬉しそうで良かったよ。お前は善果がもたらされるべき人間だよ。 正直何にイラついていたかもあんまり覚えていないし、仕返しなんてどうでもいい。 「嬉しいなー、お前マジ神だわ!」 出た、そういえばこの台詞にもイラついていたんだった。でも不思議と以前のような憤りは感じない。僕は多分未熟な自分にもイラついていたんだな。若干のレベルアップが確認できた今回のことは結果として良かったのかも知れない。 だから、僕は自信を持ってこう言った 「うん、僕はマジで神だよ」
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