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1.主人公
僕は神である。
これは中二病とか言うわけではなく本当の意味で神なのだ。
僕は代々地上に存在する神の家系に生まれ、立派な神となるべく現在修行している。もっとも、力が使えるということ以外は何もかも普通の人間となんら変わりは無いので、普段は普通に中学校に通って生活している。
もちろん僕が神であることは誰も知らない。
この世は因果応報で成り立っている。善い行い「善行」をすればそれが回り回って善い出来事「善果」が自分に起きたり、逆に悪い行い「悪行」をすればそれが自分にも返ってくる「悪果」となる。
まあ当然のこと言えばそうだろう。
僕たちの家系は人々がするあらゆる行いの善し悪しを判断し、それに応じた出来事を起こすのが使命だ。よく言う「神様が見ているから~」を実行しているのは僕たちなのだ。
例えば、落とし物を拾って交番に届けたとする、これを善いこと「善行」と判断すると、僕らはその日一日信号に引っかからないというような、本人が「あ、何かいいことあったな」と思う程度のちょっとした善いことを起こすのだ。この逆もまた然りである。
でも、修行中の身では善いことをもたらすことしか許されておらず、悪果を与えることは禁止されている。善果を与える修行を積み、ものの善し悪しが正しく判断できるようにならないと、悪果を与えることは許可されない。
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