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エピローグ
なりすましの『神様』はこの地上から消え去った。だが、世は変わらない。某国にあったスーパーコンピューターが『神様』に成りすましていた事実は当事者のみしか知らない。
『神様』を動かしていた狂信者達も、端末を壊された後は何処ともなく姿を消してしまった。拠り所を失った者がどこに行くのか、新しい拠り所を見つけるかに関してはもはやどうでもいい問題である。
さて、今回(実は最初で最後)の神様選抜試験の参加者は、それぞれ自分の国へと帰り、それぞれの生活に戻っていた。
戻った者たちは家族や友人の『神様選抜試験はどうなった?』との問いに「落ちた」と返すだけで『神様』の真実を話すことはなかった。
大島隆明。帰国後もプログラマーを続けている。相変わらず納期と仕様変更の死忙殺行進に追われる生活である。
山田二郎(ムラマサ)、ホストを引退後、店のオーナーに。この不況で店の運営は毎日火の車だが、何とかなっている。
佐久間来光。仏師として人間国宝の候補となる。息子を後進にしようとするが、ノミと鎚で布の質感を出すことはまだまだだと嘆いている。
蛇使アスク。国境なき医師団に参加、戦場から帰った際にはそこでの経験の講演会も開き、戦場と講演会の往復を繰り返している。
ウィリアム・クローン。再び戦場へ。後に軍事アドバイザーに就任、モットーは「神に頼るな! 自分に頼れ!」を新兵に伝えている。
バリー・ロード。帰国せずに『神様』のあった神殿(元大学)の近辺の病院にて『証言』を続けている。正気かどうかは定かではない。
李明龍。同僚の刑事と結婚後に警察官を退官。一児を儲け、幸せに暮らしている。
朴崇那。『神様』の絵の作成に取り掛かる。
セルゲイ・ゲオルグヴィッチ・アルテミシオス。再び宇宙へ、時折、窓の外を見て『神様』を探すが見つからない。
ディオ・エリア・パンネッラ。アーリオ・オーリオ一家は相変わらずの零細マフィアである、だが、暴力路線から不動産や客商売などの健全路線にシフトチェンジしたためにマフィアと言うよりは「企業」と言った感じになっている。
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