一筆送信篇 〔2014年と2015年の日記〕

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 神木君は写真や音楽もやるらしい。器用な人である。その内、自作の歌を歌い出すかも知れない。複数の才能に恵まれている者(隆之介)もいれば、何ひとつ恵まれぬ者(鍋太郎)もいる。世の中は不公平にできている。人類平等は「理想」であって「現実」ではないのだ。  神木君は、大河ドラマ『義経』(2005年)で牛若丸を演じ、後の『平清盛』(2012年)で、成長した牛若丸=源義経を演じるという稀有な経歴の持ち主でもある。又、緒形拳、原田芳雄、菅原文太など、大物俳優との共演も多い。実力だけではなく、運力も相当なものだ。〔15年1月3日〕 ♞「クローズの可能性」とか「吃驚するほど不味い」とか、まったく失礼な奴である。将棋の話をしているが、地元のチェスクラブに通い出すのは、この年の夏である(後に自己放逐)。神木君は現在も活躍中だが、緒形、原田、菅原の三氏は、あちらに行(逝)かれてしまった。先輩たちの分も頑張ってもらいたい。六百字ほどの余白ができた。仕方がない。雑記で埋めよう。 第4・5記「発雷」  シャットダウン確認後、身支度を整えた。最後のカギをかけてから、自室を離れた。昨日今日と、不安定な天気が続いている。晴れたり、降ったり、曇ったりで、おちおち脱水衣類も干せぬ。積乱雲の動きが活発で、昼も夜も鳴りっぱなしの有様。ニッポンは「雷の国」になってしまったのだろうか。  アパートを出て、徒歩で10分ほどかかる場所にある食堂の暖簾をくぐった。先客二名。昼間から酒盛りとはね。羨ましい限りだ。冷水を運んできてくれたおっちゃんにカレー丼を注文した。  店内に設置されたテレビがつまらない番組を映し出していた。どうやら視聴者の感動を誘おうとしているらしいが、アナウンサーが絶叫すればするほど、こちらは白ける。台詞も空疎だが、演出も幼稚だ。  相性が悪い。同番組に限らず、この局が制作する番組は俺の好みに合わない。他局に変えるか、電源を切るかのどちらかにしたいところだが、先客とおっちゃんが熱心に観ているので、そういうわけにもゆかないのだった。  食後、半時間ほど歩いた。地域最大級のショッピングセンターに行き、同館2階の靴屋に向かった。歩行屋の俺にとって、靴は重要アイテムのひとつと云える。変なものを履いていると、足を痛めてしまう。痛めたら、その場で廃業である。慎重に選び、代金を払った。〔18年9月2日〕
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