マカロン姫の誕生

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マカロン姫の誕生

ここは異世界。椿は、現代から召喚され異世界へとやってきた高校生。そしてのちに天海先生に救い出してもらい、今は竹林の中。主を倒し虹色に光る竹の中から、マカロンの形をしたかぐや姫を手に入れた。 「ああやったわ!かぐや姫も無事に助け出したことだし、あとはどう開けるのか、問題ね……。」椿は腕組みをしながら考える。先生もはあはあ言いながら呼吸を整える。 「そうだ!リリアーナに迎えに来てもらおう。」先生は、テレメールという異世界で通用する電話を使って話した。「______もしもし、リリアーナ!今からすぐに迎えにきてくれるかい?よろしく頼むよ。」と言い通話を終了した。1分も経たないうちに空からのエレベーターみたいなものがやってきた。「うん!すごい〜迫力あるなと感心していた」リリアーナが、 「お仕事お疲れ様です。まあ!どろどろじゃないですか。。服の着替えをついでに持ってきたので、それにお着替えください。汚れた服は洗濯しておきますから。」よく気が利くリリアーナは頼りがいがあった。 最後に竹林の姫・黒竹姫白竹姫にお礼として宴に誘ってあげた。そしてさよならを告げ、エレベータに先生、リリアーナ、椿そして掌にはマカロン姫を抱いた順に乗り込んだ。何もかもガラスでできたエレベータなので透けている。高所恐怖症にはたまらない怖さだろう。こんなに乗っているのに壊れないか心配だ。ここのエレベータは先生の家のと繋がっている。物凄いすさましい勢いでパワー全開で動き始めた。遠くの方へ行くと竹林が小さくなっていく。またひとついろんな経験ができたと思う。 先生の家に帰ってくるといつもの食卓のテーブルに色鮮やかな夕食が取り分けられている。 リリアーナ手製の豪華なメニュー達。どれも美味しそうで速く食べたい欲求が 掻き立てられる。先生と私が順番に手洗いしている間リリアーナは、雰囲気が出るように燭台に赤いロウソクを刺す。そして火を灯す。部屋の隅っこに小さなキャンドルが並んでいて可愛い♡なんてムードがあるお食事なんだろうと椿は思い、席に着く。 「今回はフランス料理です。メニューは前菜オードブルーそして、スープのポタージュ、魚料理のポワソン、お口直しのソルベ、肉料理のアントレ、デザートのマカロンです。この順番でご準備いたしています。どうぞごゆったりしていただきませ。」リリアーナは二人の空間を作り、その場を立ち去った。 「先生!マカロン姫を育てる資格があるかどうかわからないのですが。。」と椿が先生に話しかけた。「大丈夫だよ!心配しなくても。僕が付いているよ。僕らが父親と母親、両親になるつもりで頑張って月に帰るまで見届けてやろうよ。」ともう順番に流れてくるメニューを眺めながら先生が言った。「そうだね〜!マカロン姫が成長するのを見届けるまでが親心だと思う!」椿はそう言い、一口サイズに切った肉料理アントワを口に運ぶ。「あっ!初めて食べたけど美味しい♪」と感想を述べた。先生が「確かに!リリアーナの手料理は超うまいからな故郷の味を思い出す気がする。」とうんうんと頷いて食べている。 「最後のデザートです。マカロン姫が大好きなマカロンをいっぱい作りました。それとマカロン姫が誕生したので連れてきますね!」 リリアーナは、抱っこしながらマカロン姫を初対面させた。まるで人間の赤ちゃんみたいに小さい手足、少し違うのはマカロンから生まれてきたこと、背中に4枚の羽が生えていることぐらいだろうか。。 私が生まれてきた時も両親はこんな風に幸せを噛み締めて見てくれていた違いない。生命ってこんなに心動かされて感動することを今夜初めて知った。 生まれてきてくれて本当にありがとう、マカロン姫。
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