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とある高校の生徒会室。
放課後には毎日同じ光景が繰り広げられている。
「しつこいわね! もう何百回言ったか分からないけど理解できてないんならもう一回教えてあげるわ。同好会の発足は顧問の先生とメンバー三人が揃えば可能なの。この前のスターシードだかヒューメイリアンだかの彼を仲間にすれば丁度いいじゃない。私は生徒会の仕事で忙しいの。そんな同好会に入る理由も義理もありません!」
津川 奈津実
生徒会長・中々の堅物
オカルト同好会を発足させたい迷惑コンビの勧誘に、怒りをあらわにしながら日々応戦している。
漆黒のボブは両サイドをピンでしっかりと止められており、メタルフレームの眼鏡の奥の眼光は鋭い。
基本難しい顔をしているが常日頃怒っている訳ではないらしい。
無自覚にナイスバディを強調させているベストがトレードマークだ。
「三人目は会長って決まってるの! 顧問は平野先生って決まってるし! もう! 後は会長が素直になるだけだゾ!」
市堰 江
オカルト同好会副会長予定・楽しければ何でもいい
楽しいこと、とりわけ不思議なことが大好物。
朔也に霊感があることに気付き、一緒に居れば何かしら面白い出来事に遭遇するのではないかとオカルト同好会を名乗りだすがまだ正式ではない。
どこから見ても可愛らしいルックスで常に屈託なく笑っており人懐っこい。大きな瞳にまあるい頬は高校生には見えないし男子にも見えない。
制服がないためユニセックスなファッションも手伝って、もはや〈イチセキコウ〉というコンテンツを確立している。
「……」
大谷 朔也
オカルト同好会会長予定・微妙な霊感がある以外は至って普通
纏わりついてくる江を若干煩わしいと思いつつも、何となくウマが合い一緒に行動している。
長身で手足もスラリと長く、何を着てもそれなりに映える。顔も無難に整っているので雰囲気イケメンとして女子から人気がある。
しかし草食系で未だお付き合いの経験はなく、キャアキャア言ってくる女子が怖くて逃げ惑うこともしばしば。
霊感はあるが幽霊は見えない。気まぐれで施すお祓いには効果があるらしく、一部の生徒からは密かに崇められている。
生徒会室に入った途端、奈津実から出て行ってちょうだい! と一喝された二人は扉の前でお仕置き中かのように並んで立っていた。
その状態で江が奈津実を勧誘し、二人は奈津実に怒鳴られ、朔也はあらぬ方向を向いてやり過ごしている。
いつものことである。
奈津実はバンッと掌を机に叩きつけ、俯いたままゆっくりと立ち上がる。
この後何が起こるのか分かっている朔也は冷や汗をかきつつ身構え叫ぶ。
「いきなりそれは止めろ! 鈍器だぞ!」
奈津実が投げつけたテープカッター台をナイスキャッチする朔也。
「ドンキー! ドンキー!」
ハイテンションではしゃぎ出す江。
手元にある文房具を手当たり次第投げつけ奈津実は怒鳴る。放課後の生徒会室は物が飛び交っているから危険だというのは既に全校生徒、教師まで暗黙の了解だ。
「だから何で私なのよ! どうせ生徒会室なら頭川先生が来ないと思って避難しに来てるんでしょ! いい迷惑だわ!」
江と朔也は校内でもそこそこ有名なコンビである。
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