はじめに

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はじめに

 『鏡地獄』は、江戸川乱歩の代表作のひとつ。  光学機器に異常な執着のある「友人」が、内側が総鏡張りの球状の鏡に入ったまま狂ってしまう、という怪奇短編小説です。(・・・あ、ネタバレ)  ですが、友人が中で何を見たか、狂うほどのものが見えるのか、何も言及されず、読者は消化不良のまま放置されます。友人はこんなものを作るくらいですから、もともと異常な感じですし。球に入ったから狂ったというよりも、狂った人が球に入ったのでは・・・。乱歩は丸投げして知らんぷり。  では、実際に鏡の球に入ったらどのように見えるのでしょうか?そこで、模型を作って内視鏡で実験してみました。そこには想像もできない景色が・・・。ある意味、怪作『鏡地獄』の完結編?  さあ、不思議な球の鏡の世界へ! [実験材料]  半球凹面鏡*(材質 プラスチック、アルミニウム蒸着 直径15cm)  *表面(凸面)も鏡面になっていますが、同様に内面(凹面)も鏡面になっています。  LEDライト付き内視鏡(Endoscope ES)径5.5mm [準備]  1つの半球の中央に6mmの穴を開け、2つの半球を合わせ、球状の凹面鏡を作製 [実験]  内視鏡(以下ES)を穴から挿入し、撮影する(Fig.1)a74f3e51-a23e-46ff-bdfe-d92bf1cf43ebFig. 1 A点 手前の凹面鏡の鏡面 O点 球の中心 F点 奥の半球の半径の中央 おおよその焦点(focus)になる B点 奥の凹面鏡の鏡面be1a6525-a494-4b2f-afb3-c9d94e420b9a
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