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第二話
スサノオと八剱神がぶつかり合う少し前、神社の一室に二人の女性がいた。
「ねぇ、千里」
「何でしょうか?姫用事があると聞きましたが?」
姫と言われた女性 舞神桜はこの神社の姫巫女たちの長である。もう一人は桜が千里と呼んだ人物。彼女も姫巫女であるが桜とは幼馴染であり姫巫女としては階位は一つ下になる。
「そうよ。それと二人しかいない時は姫呼びはやめてよ」
「すいません。桜、つい」
「何時もついって言っているような気がするんだけど・・・ワザと?」
桜は疑うような目で聞く。
「気のせいです。それより何か話があったのでは?」
しかし、桜と幼馴染の千里は特におくすことなく話を変える。
「そうだったわ。最近世界各地の天候が異常なのは気づいているわよね」
「ええ、地球温暖化だそうですが?それがどうかしたのですか?」
「確かに世間では地球温暖化などと言われているけれど実際はもっと深刻よ」
真剣な表情でそう話す桜。
「どういうことでしょうか?」
桜の話に疑問になる千里。
「それは・・・「大変です!」・・・」
桜が話そうとしたとき部屋の外から男が話しかけてきた。
「何事ですか!姫の部屋にございますよ!!」
千里は勝手に声を上げてきたものに対し叱りつける。この部屋は姫長である桜の部屋であるため大声で話すことは禁止されている。
「申し訳ありません!しかし・・・!」
「しかし、ではありません!」
「千里やめなさい。何か重要な話があるのですか?」
なおも千里は叱りつけようとするが桜は話が進まないと思いやめさせる。
「はい、実はつい先ほど人の踏み入れられないような森の中で大きな振動が観測されたとテレビで放送されたのですが・・・」
「地震でしょ?騒ぐほどではないと思いますが・・・」
千里はそう言う。
「それが・・・」
「断髪的に続いているのかしら?」
「「!!!」」
男が話そうとしたのを遮り桜が話した内容に二人は驚愕した。
「その通りなのですがなぜ?」
「姫なぜわかったのですか?」
二人はなぜわかったのか疑問に思い桜に聞く。
「あなたは下がってください」
「・・・はい」
桜は男に下がるように言い男は少し迷ったが素直に下がっていく。
「千里、私があなたを呼んだことについて話を進めましょう」
「はい」
「まずは先ほどの地震の件ですが恐らくですが神同士の戦いが起こっています。ですが、まだ人間界に完全に現れたのではなく異次元にいるのでしょう」
異次元とは人間が見ている世界を三次元とするなら神々がいるのは四次元になるだろう。
「!!!」
千里は桜の言葉に驚いて声を出すことができなかった。
「何かの間違いでは?」
千里は何とか立ち直り間違いではないかと問いかける。だが、千里も何処となく気づいているのだろう桜が自分に話すということは既に事実であることをそれだけの信頼感が二人にはある。
「いえ、間違いないわ。神同士が戦っている。何より神の力を人間界に感じ取れる恐らく何柱かは人間界に既に降りている」
桜には神の力を感じ取ることのできる能力があった。故に神々が降りていることを知ることができた。
「そんな!?神同士が戦うだけでなく何柱かが人間界に!?」
桜はそれでも千里に事実だと伝える。だが、千里の声は既に悲鳴に近くなっている。人間界に存在していない神々が降りているとならば人間界にどのような影響を与えるかわからない。下手をすれば人間界が滅ぶ可能性がある。それが、一瞬で理解できたが故の千里の反応である。
「千里落ち着きなさい」
「すいません。ですが・・・」
「いえ、しょうがないでしょう私も最初はあり得ないと信じられませんでしたから」
桜は千里を一声で静かにさせると自分も最初は信じられないと伝える。
「そう・・・ですか。ならば一体なぜその様なことが起きているのですか?」
「わからないわ。でも、確実に神々に何かが起きているのは確実でしょう。とにかく今は情報が足りなすぎる情報を何とかして集めないと」
「はい・・・」
桜の言葉に千里は整理がついていないのか力なく返事をするだけであった。
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