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第三話
「はぁ、はぁ、はぁ、何とか逃げ切れたか・・・」
八剱神はスサノオと戦っていたがもう一体の神の気配を感じ取れたために急いで離脱する方へと戦い方を変えて逃げ切ったところであるが体中が傷だらけになって今にも倒れそうになるが何とか堪えて歩を進める。
(あの気配はツクヨミさんか)
ツクヨミとは夜の神でスサノオの兄である。
(まずいな。着実に神々が降臨しつつある。このままいけばこちらがやられる何とか味方になれる者たちを探さなければ)
八剱神は味方になってくれる者たちを探すために歩みを止めずに進む。
一方神社では
「報告ご苦労様です。引き続き情報収集をお願いします」
「はっ!」
千里は情報を持ってきた者を労い引き続き情報収集をお願いした。
「緑で溢れていた森が荒れ地に・・・」
「はい、それから森の天気は嵐だったようです。地面はぬかるんで木は風でなぎ倒されるだけでなく雷が落ちた後もあり凄惨な様相になっているようです」
二人は森で頻発していた地震に関しての情報を集めていたがその様なものは何も出てこなく嵐が吹き荒れていたということが上がってくる。
『ええ現在私は地震が断続的に続いていた場所へとやってきています!』
これらの情報は今のようにメディアでも取り上げられており騒ぎになっている。
「だいぶ騒ぎになってきましたね」
「ええ」
このような事態の為に桜と千里の二人は今も話し合いを続けている。神の存在を人間たちに知られないために。
「やはり神同士の戦いだったのでしょうか」
「恐らく。それも戦っていた神の一人は須佐之男命様で間違いないでしょう。あの方は嵐の神とも言われているから」
「なっ!!日本の代表的な神の一柱ではありませんか!?」
千里は桜の出した神の名前に驚き目を見開いた。
「ええ、何かはわからないけど今の事態がかなり悪い方に向かっていることは確かでしょう」
「はい。しかし、私たちは一体どうすれば?」
千里は頷くが戸惑いを隠せずに聞く。
これは仕方がないことであろう巫女とは神に仕える存在なのだから。それが、人類に悪影響を与えるともなれば。
「確かに不安かも知れないけど私たちに今できることは情報を集めて何が起きているか理解することよ。けど今は情報が足りなすぎる」
「そうです、ね。ですが、情報はこれ以上集めようがないかと・・・」
「そこなのよ。まぁ、でも一つだけ情報を集める手がある」
「え!?」
千里は情報をこれ以上集めることは難しいというが桜はまだ一つだけ手があると言い驚く。だが、更に驚くことを桜が話す。
「私たち巫女が直接現場に言って視るのよ。現場に行けば私たち巫女にしか視えないものが必ず視えるからね」
「な!!正気ですか!?私たちは巫女です!!その様な軽はずみな行動するわけには行きません!!!」
何時になく千里は慌てふためく。この二人は巫女の長と次席であるために外出することは許されていないのである。
「いいじゃない別に」
「よくありません!!ほかに情報を集める方法ぐらいあるかもしれないでは・・・!!」
千里は言いかけて何かを思案するように沈黙する。
「何か方法でも思いついたの?」
「はい。神と交信をしてみては?」
神と交信するとは二人にしか許されていないことで神と会話することができるのである。
「無理よ」
だが、桜は千里の提案を否定した。
「なぜですか!!」
「試したからよ。ありとあらゆる手段で交信しようとしたけど無理だった」
「そんな」
千里は桜の言葉に愕然とするしかなかった。
「千里もう私たちが行って調べるしか手はないの。それにこのまま情報をここで待ち続けていたら大変なことになる気がする。あなたもそう感じているんじゃないの?」
「それは・・・」
桜が言うように千里にもここで待ち続けては行けないという漠然とした不安があるのだ。
「わかりました。直ぐに手配します」
「ええ、お願いね」
桜はそう言い千里は直ぐに現場に行くための手配をするため部屋を後にする。
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