プロローグ

1/1
前へ
/9ページ
次へ

プロローグ

私は、植物を育てることが大好きだ。 植物は言葉も発さないし、感情もみせない。 「あ、ネリネの花がもうそろそろ咲きそう」 窓辺に置いてある鉢にはネリネの花を植えた。ネリネは私の誕生日花、思い入れのある花だ。 窓の外はしとしとと雨が降っている。 (……寒そう) ……こんな雨の中、あの子は私を待っていたのだろうか。 胸の中にできた小さなもやもやを取り払うように私は自分の部屋を飛び出た。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加