ランチタイム

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ランチタイム

 ランチタイム。 「最近、近くにドッグカフェ出来たの知ってる?」 「知らない知らない」 「あんたも犬好きだったよね、行ってみる?」 「行ってみる行ってみる♪」  犬好きのOL同士。今日のランチは、最近オープンした、会社近くのドッグカフェへ、Let'sら、Go~ッ♪ 「ほらほら、あそこあそこ!」 「あっ! ほんとだね~ッ♪ かわいいワンちゃんのイラストの入った(のぼり)だね~♪」  かわいいワンちゃんのイラストの下に、ランチタイムと書かれた(のぼり)が、風になびいて裏返っていた。 「うわ~、かわいいお店だね~♪」 「だねだね~♪」 「もう、私、お腹ペコペコだよ~!」 「さっ、入ろ入ろ!」  ー カランコロンカラン♪ ー 「いらっしゃいませ~♪」  店に入るや否や、私たちは、思わず叫んだッ! 「くぅっさーーーッッッ!!!」 「(くさ)ッ! じゃなく、くぅっさーーーッッッ!!!」 『ランチタイム』どころか、ドデカイ大型犬たちが、思いっきり人間顔負けの、モーレツにドデカイうんちをしている『うんちタイム』だった。  もう、ほんんんっっっとにドデカイ大型犬たちが、どいつもこいつも、『太い』じゃなく、モーレツに『ふぅっといッ!』ドデカイうんちを、ひねり出していたのだッ! 「す、すいませ~んッ! 入口のドア、カギ掛けるの忘れてましたッ! 申し訳ございませんッ! 今、ワンちゃんたち、一斉に『うンチタイム』でして~……」  お店のおねえさんが申し訳なさそうに言われるので、 「アハハ……、いいですいいです、じゃ、また、改めます~」 「また、来ますね~」 「すいませ~ん……」  私たちは、店のドアを閉め、風で裏返っていた外の(のぼり)をもう一度よく見てみると、『ランチタイム』ではなく、『犬のイラスト』の下に『うンチタイム』と書かれてあったのだッ! 「『ラ』ではなく『う』って書いてあったんだ~!」 「……って、(まぎ)らわしいやないか~~い!」
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