泡と湯船に戯れて

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寝室に入り、ベットの傍まで行き、2人は互いに口を重ねる。 瞳を閉じ、互いに重ね合い、ゆっくりと舌を絡め合ってゆき、クチュクチュと互いの唾液が混ざり合う艶かしくも、どこか神聖ささえ感じさせるような水音を立て、部屋に響いてゆく。 『ん⋯⋯、ふ⋯⋯、チュッ⋯⋯ふふ、響様、今日もボクのことを沢山可愛がってくださいね。』 そっと唇を離すと、混じり合った唾液は吊り橋のように垂れた糸を引き、その中間部でプツンと離れる。 『ああ、任せておけ』 そう言うや否、少女を寝具の上へと押し倒し、彼女を包み込むバスローブをゆっくりと脱がしてゆく。 脱がし終えて青年の目に飛び込んで来たのはまさに芸術であった。 白磁の茶器のように一切の不純さを感じさせない白い肌、大きく揺れる豊かな双丘、その頂きにそびえる桃色の小さな蕾、細く滑らかでキメの細かい肌をもった華奢な四肢、何度もこの目で見た光景なのに、その芸術とも言える少女の身体に青年は目を奪われ、しばらくの間、静止するも、ハッと我に返る。 我に返った青年は吸い込まれるように少女の胸に手を伸ばし、優しく掴み、転がすように愛で始める。 『ん⋯⋯』 と、甘い吐息を漏らしながら少女は青年を見つめる。 『痛くないか?』 『はい、大丈夫で、んん!!』 痛みの代わりに身体を襲う快楽に少女は大きく喘ぎ、体を少し仰け反らせ、ピクピクと電流の流れたかのように痙攣させる。 『ん⋯⋯あ、響⋯さまぁ〜。もっと、もっとボクの身体、触ってください』 『違うだろ。こういう時はなんて言うんだ?』 喘ぎながら青年に懇願する少女に対し、彼はニヤリと妖しい微笑みを浮かべながら耳元で囁き、先端の蕾を軽く摘む。 『ひゃにゃ!⋯⋯はい⋯⋯おにい⋯ちゃん。ナーの身体、もっといっぱい触ってください』 さっきまで被っていたネコを脱ぎ捨てた彼女はまさに、「女の子」だった。 いつもは献身的な姿勢で常に1歩後ろから青年を支え、礼節を重んじ、純粋無垢な少女であるナツメグ。 しかし、今、青年の目の前に居るのはただただ好きな男性に甘えるか弱い女の子だった。
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