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3時の方向から迫る挟撃。
東よりいずる鎌、鞭、キック。
裂けてはひしゃげて。
良好。
惨事の咆哮スペクタル狂劇。
He got 黄泉行ける片道切符。
さながら居飛車で。
轟音。
ストロボライトのように跳弾し、剣戟が各所で散発し、視界は狭まるのに頭は冷静で。
内なる脳内麻薬の密売人を飼いならすことが何よりもの武器なのだ。私は最低限の動きで見切り、肘で切りつけ、カカトを振り子にのせて側頭部に打ちつけては次の動体を目で追った。
流暢な蛇腹剣は一閃を薙いで、マントルから吹き上がった噴煙が火柱を立てた。上空でパイナップル破片爆弾が発破して、三角トラス構造の多目的ホールは、屋根の半分を、晴れ間が覗いた雪国のように滑り落として室内の中心に即席のモニュメントを建造してみせた。
対戦車ライフルの射線を肌で感じた瞬きの、次の視界では背後の壁は大穴を開けている。
私のグロウルは鳴りやまない。愉快。私は、この一時的アメニティへの酔心をここに表明する。
私が私じゃないなら、虫唾が走る思いで吐き捨てているに違いないよ。
やんややんや、狂っている。
それぞれが持ち合わせた絢爛たる破壊衝動は行き場をなくし、仕方がないからぶつけあっている。桜花のように新入社員一同は舞って、跳んで、砕いて、また爆ぜた。
明日のことなど、最早、考中になかった。
やいやい。その命、手づかみで失礼。
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