第3話 青い満月の夜に

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少し落ち着くと私は、クロノ君の為に用意された部屋へ案内してもらう事に。 「クロノ君にこんな秘密があるなんて知らなかったから…。もうちょっと可愛い家具とかにすればよかったかな…」 レナさんは、苦笑いしながら私に謝った。 でも、私が出てこられるのは青い満月の夜だけ…。 「大丈夫です!私が出てこられるのは青い満月の夜だけですし…」 私の体は借り物なのだから…。 私の為に何かしてもらうのは気が引けてしまう…。 「それじゃ、何か困った事があったら遠慮なく言ってね。私はさっきのリビングにいるから」 レナさんは、そう言うと部屋を出て行く。 ココさんとミーナちゃんの2人も部屋を出て行こうとしたけど、呼び止めてしまった。 「あっ…お二人はちょっと待ってくれませんか…?」 「…?どうかしたんですか?」 突然呼び止められ、驚きながらも立ち止まる2人…。 ちょっと恥ずかしいけど…お願いしたら付き合ってくれるかな…。 「もしご迷惑でなければ…ちょっとお話しませんか…?」 私は、ちょっぴり照れくさそうな仕草を見せる。 そんな様子を見たミーナちゃんは思わずクスクスと笑った。 「あははっ!照れてるセアラさん、クロノ君にそっくり!」 「ふふっ…!確かにそっくりかも!」 ミーナちゃんに釣られてココさんもクスッと笑い出す。 私は、あたふたしながら「そ、そんな事ないですっ…!」と強がるけど、もはや説得力はないみたいです…とほほ。 思わぬ出来事で緊張が和らいだ私達は、ソファーに座った。 「ねぇ、セアラさん。クロノ君には聞かなかったんだけど、そっちの世界でも九尾の狐族ってやっぱり珍しいんですか?」 ミーナちゃんは、私の尻尾を見ながら質問した。 クロノ君から替わったとはいえ、私の尻尾も元々はふわふわのもふもふ。 お手入れだって欠かさなかった。 「ふふっ、敬語なんて使わなくていいんですよ?そうですね…妖怪の中でもかなり珍しかったと思います。私は九尾でしたけど、父も母も違いましたし…」 私が話をしている最中に、ミーナちゃんが私の尻尾に手を伸ばそうとしたけど、間一髪で止める事に成功した。 「あ、尻尾は触らないでくれませんか…?私、尻尾を触られるの苦手で…。変な声を出しちゃうんです…」 私は、苦笑いしながら謝る。 ミーナちゃんも「す、すいません…」とすぐに謝った。 何だか悪い事をしちゃった気分になったけど、変な声を出しちゃうよりはマシ…な気がする…。 「あはは…!ミーちゃん、モフモフしたりふわふわした物が好きだもんね」 「じゃあ、尻尾を触りたい時はクロノ君でお願いしますね」 私が冗談混じりに返すと、ココさんとミーナちゃんから笑顔が溢れた。 クロノ君、ごめなさいね。 それから私たち3人は、まるで女子会のように話で盛り上がり、気づいた時には数時間が過ぎようとしていた…。
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