第5話 虹と月の魔力

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「やはり、レオン君が黄色の魔力だったのもあって黄色のエネルギー刃が出るようだね」 すると、セシルさんも腰の横に付けていたギアブレードを取り出して展開させた。 セシルさんの刃は緑色…という事は、緑色の魔力って事か。 そして、セシルさんがギアブレードを取り出した際に、腰につけたベルトがギアブレードをしまっておける物だということも分かった。 …ってちょっと待って。 セシルさん、どうしてギアブレードを出したんだろ…。 いや、もう何となく分かるけど、もしかして…。 「僕と一試合してくれないか?」 …やっぱり。 どうしよう、ルナ王妃はニコニコしながら僕を見つめ続けてるし…。 やるしかないか。 「わ、分かりました」 僕とセシルさんは、中庭の中央付近へと移動して向き合う。 お互い3メートル程離れているだろうか。 それでもセシルさんから独特の空気が流れてくる。 「クロノ君、さっきの試合の様な手加減は要らない。今の君の力を見せてくれ」 うっ…さっきの試合でちょっと手を抜いていたのがバレてる…。 でも、セシルさんの言う通りかもしれない。 手加減なんてすれば、あっという間にやられてしまう気がする。 それだけセシルさんからの圧力が凄い。 「行きます!」 僕は勢いよくセシルさんに向かって飛び出した。 まずは横斬りだ。 右足から踏み込んで、左から右へ剣を振る。 対するセシルさんは、剣を縦に構えて僕の攻撃を防ぐ。 そして、そのままグッと僕を押し返してきた。 やっぱり強い…! 押し返されて宙に浮いてしまったけど、バック宙の要領で体をクルッと回転させて体制を立て直す。 でも、着地した時、セシルさんが視界から消えていた。 「こっちだよ?」 後ろから頭をコツンと叩かれる。 頭を押さえながら振り返ると、苦笑いをするセシルさんの姿があった。 でも、どうやって一瞬で後ろへ回ったんだろう? 僕の反応だってそんなに遅かった訳じゃないのに…。 「今のは魔力を体中に回して身体能力を一時的に上げたんだ。名前は特にないから、僕は『攻めの型』って勝手に呼んでるんだけど」 そんな事も出来るんだ…。 魔法って単純に術を唱えるだけだと思ってたから、ギアブレードや剣術にも応用されてるなんて思ってもみなかった。 「さぁ、クロノ君もやってみて!君なら出来るハズだから」
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