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「クロノ君も行こ?」
ココさんが僕の手を引いてニコッと笑う。
僕は「はい!」と答えると、急いでセシルさんの後を追った。
セシルさんが側にいてくれるのは、頼りになるし、凄く心強い。
これからセシルさんには、剣術以外にも色々教えてもらえるといいな…。
そう考えると、ちょっと楽しみになってきちゃった。
でも、僕達子供が眠った後…。
「… FATE(フェイト)が色々な地域で魔力を使った実験を?」
「えぇ、恐らく奴らの狙いは『虹色の魔力』だ。クロノ君の魔力は偶然じゃない…。きっと最初から人工的に虹色の魔力を宿らせる目的で実験をしていたんだ」
夜中、リビングでセシルさんとレナさんが小声で話をしていた。
「こんなに早く帰ってきたのは虹色の魔力に目を付けている事を掴んだからですね?それで、ヴァン様は何て…?」
「ヴァン様も驚いていました。FATE(フェイト)の狙いも、そしてクロノ君の魔力の事も…。でも、それと同時にクロノ君なら大丈夫だともね」
セシルさんは、クスッと微笑むと窓の外を見る…。
「この先、闇からの誘惑がクロノ君にも襲ってくると思う…。でも、彼はそんな誘惑にも負けない強い意志がある。今日、クロノ君と話をして、試合をして、そう思いました」
「セシルさん…」
心配そうな表情でセシルさんを見るレナさん。
すると、セシルさんは振り返ると再びニコッと微笑んだ。
「ギアブレードもそうだけど、魔法も大切なのは心ですよ」
セシルさんの言葉にレナさんもニッコリと微笑んだ。
FATE(フェイト)は、虹色の魔力を使って何をするつもりなんだろう。
僕の知らない所で、FATE(フェイト)の魔の手は、じわじわと世界に広がりつつあるのだった。
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