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「……先輩、何だかいつもと違うというか……性格が変わってませんか?」
「あはは、そうだね。今までは小鳥遊さんに好かれたくて格好つけてたからなぁ。でも……小鳥遊さんには、本当の俺を好きになってもらいたいからさ」
“本当の俺”
そう言った先輩の表情が、何だかほんの少しだけ……寂し気に映る。
「会社では王子だなんだ言われたりもしてるけど……俺、誰にでも優しいわけじゃないよ。ただ、人当たり良くしておけば面倒事に巻き込まれる心配がないって思ってるだけ。今までずっと、適度の距離間でそれなりの人付き合いをしてきたってだけなんだ。それに……こう見えて結構負けず嫌いでさ。姉貴にはガキっぽいなんてよく言われてるし、さっき小鳥遊さんが言ってたみたいに意地の悪い所だってある。でも――小鳥遊さんには、俺の“そういう面”も知ってほしいって思うんだ」
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