花になるには程遠い

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「――――ふーん、なるほどねぇ」 全国チェーンの喫茶店で期間限定のフラペチーノを啜りながら話すのは、つい先日の遊園地での出来事。 私の拙かったであろう話を聴き終えた桃ちゃんは、何とも言い難い溜息を落とした。綺麗にカール掛かったまつ毛がぱちりと揺れ動くのを視界にとらえながら、桃ちゃんからの返答を待つ。 「まさかあの後そんなことになってたなんてね……はぁ。その場面、すごく見たかったわ」 わざとらしい程の生真面目な表情を作って再び嘆息した桃ちゃん。 「……桃ちゃん?何だか面白がってないですか?」 「あら?ばれちゃった?」 私からのジトリとした視線にもあっけらかんとした様子で返してきた桃ちゃん。 無言で見つめ続ければ、「ふふっ、ごめんってば。澪は真剣に悩んでるんだもんね?」と私の鼻先をつんと突いてくる。 「うん。……高遠先輩、職場でも今までと全然変わりない感じで話しかけてくるし、もしかしてあの日のことは夢だったんじゃないかなとか、思ったりもしたんだけど……」 「でも、あの後連絡がきたんでしょう?」 桃ちゃんの言葉で、先輩から送られてきたメッセージが脳内に浮かび上がってくる。
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