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はりねずみくんはハスキーさんのことが心配で心配で、一人でおうちにいるのが落ち着きませんでした。
「湖に行ってこようかなあ」
はりねずみくんは、いてもたってもいられず、おうちを飛び出しました。
「あら、はりねずみくん、悲しそうな顔をしてどこに行くの?」
話しかけてきたのは、シャム猫さんでした。
「実はね…」
シャム猫さんも話を聞いて心配になりました。
とりあえず、二人で湖に向かうことにしました。
会話も少なく湖にたどり着いた二人は、ほとりに座ります。
「こんにちは。二人とも元気ないですね」
白鳥さんも来てくれました。
「実はね…ハスキーさんなんだけど具合がとても悪いんだ。もし、このまま元気にならなかったらどうしよう…」
はりねずみくんは心配のあまり泣き出してしまいました。
「大丈夫よ。きっとよくなるわ」
シャム猫さんはなんとか元気付けようとします。
「元気になって、また一緒に遊べますよ」
白鳥さんも優しく言います。
「でも、昨日の姿を見たら、ぼく、心配で、不安でたまらなくて…」
はりねずみくんは病気のことをよく知りません。
ただの風邪も、命に関わるかもしれないと思ってしまうのです。
泣き続けるはりねずみくんを、気遣い白鳥さんはきれいな歌で安心させようとします。
シャム猫さんもはりねずみくんを撫でてあげます。
「ぼくがハスキーさんを信じなくちゃ」
涙を拭い二人にお礼を言います。
「絶対元気になるよね。大丈夫だね」
はりねずみくんは強く言いました。
三人は「大丈夫」と言い合い、ハスキーさんのことを信じることにしました。
とても優しい純粋なはりねずみくん。
帰り道でも呪文のように、「ハスキーさんは大丈夫」と呟きながら歩いていきました。
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