お母さんがおかしい

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お母さんがおかしい

夜の9時 「おかーさん、今日も本の続き読んでよ」「いいわよ、今行くからね」 そう言いつつも、今日家に帰ってから母は上の空だ。そして今も、ボーッと窓の外を眺めている。 「お母さん?」 「っ、なんでもないわよ、何ページからだっけ?」 「お母さん、なんか今日変だよ?」 「なんでもないって言ってるでしょ、読むよ!どこから!?」 明らかによそよそしい態度、何故起こりだしたか分からない母に恐怖を覚えた。 「なんで怒るのぉ?」 顔をくしゃりと歪め、丸い瞳からは涙が溢れる。 「なんで泣くのよ!もう!読んであげない」 うわぁぁぁあぁんと泣き声が大きくなる。 恵子はそれを放置して部屋の外へ出る。母親としてあるまじき行為だが、彼女の心は愛のところには存在していなかった。
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