自己紹介

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「こ、降霊術は……コックリさんの事です!」 「……大丈夫か?」 部長が心配そうに聞く。 大丈夫も何も、先輩が言い出した事なのに。そう言い返したい所だけど。由利先輩に、そんな自分を見せたくない。 「あの……。手順さえ守れば、大丈夫だと思いますよ?」 「ああ、すまない。説明が足りなかったな。色は、()かれやすい体質でね?」 (……疲れやすい?) 虚弱体質という事だろうか? 由利先輩は、そんな体質で生徒会長を。なんて、立派な人なんだろう。 「由利先輩って、偉いですね」 「……そう、かな?」 「また何か、誤解しているようだな……」 部長がブツブツと何か言ったけれど、気にしない。だって、由利先輩が偉いって事は、何一つ変わらない事実だもの。 「まあ、自己紹介も済んだんだ。色、何か話したい事はあるか?」 「うーん。そうだな。学校生活について、聞きたいかな?」 そう言って、また。由利先輩の瞳がわたしを捕える。 「江沢さんの」 「わたし……の……?」 由利先輩と目を合わせたら、吸い込まれてしまいそう。美しいその瞳は、上垣部長の瞳とよく似ていた。 「そういえば……」 今朝の出来事が頭をよぎる。見慣れない女性。 「通学路で、知らない女性を見かけました」 「知らない女性?」 先輩と部長の声が、綺麗に重なる。2人は声も、少しだけ似ている気がした。
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