くださいな

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 こんにちは。  岩の陰に咲いていた。あの子の瞳と同じ色。けれどそれはどこに向かうものではないから、あの子の瞳とは全く違うもの。  ああ、この子は生き残ったのか。気が付かなかった。  この子は、望まない。生きていくためのものだけを手に入れて、それだけで十分として生きている。  それならば私はこの子と暮らしてみよう。  ああ、わからない。下を向いて、どうしたのかも言ってくれない。こんな時は求めていいと言っても、聞き入れてくれない。どうして。  求めないこの子が私には必要なのに。ああ、どうしてこの子がそうなるのか、私には全くわからない。教えてくれるものもいない。  何もできないうちにいなくなってしまった。あの子が残したものは、細いものと、丸いもの。  私の中身は虚となって、することもなくさまよい歩く。  もう固いものばかりになってしまった。生物とはあんなにやわらかいものだったのに。私が壊した。
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