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作る作る作る。あの子もあの子もあの子もいないから、私はつくる。あの子と同じであの子と違うものを。
作った中にいつしかあの子そっくりな子がいた。よく笑い、よく泣き、よく走り、よく転ぶ、そんな子がいた。あの子そっくりであの子とは全然違った。その子が欲しがるものは何でも与えた。けれどこの子は私が与えていることがわかっているからか遠慮する。そんなことしなくてもいいのに。
その子は生きていた。元気に生きて、そうしてなくなった。悲しかった。私の外で愛し子がなくなるのは初めてだった。
あの時怒ったものたちはこんなに悲しかったのか、そう思った。
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