様々な依存

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 お父さんやお母さんが若い頃はみんながタバコを吸っていたんだという。駅でも電車の中でも病院の中だって普通に吸っていたんだそうだ。流石に病室では無理だったらしいが、みんなは談話室でタバコを燻らせて、血圧が高いとか、血液検査の結果が芳しくないとか、真剣に語りあっていたらしい。健康に悪いものを身体に入れて健康の話をするとは論理矛盾。でもそれが生活の一部になってしまっていて、食事をとるように煙を吸っていたんならあり得る話かもしれない。わたしは17歳だから、物思いついたときには、もう電車でタバコは吸えなかったし、盲腸で入院した友達のお見舞いに行ったときも病院全体が禁煙だったと思う。今はタバコを吸う人の方が珍しいんじゃないか。  そういえば、お父さんが持っていた昔のお笑いのDVDを見るとみんなが楽屋などで普通にタバコを吸っている。今でもテレビ番組に出ている人気の漫才コンビだ。まだ、タバコを吸っているのなら肩身の狭い思いをしているに違いない。道路でタバコを吸うこと自体が犯罪になる世の中になったんだから。
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