赤いランドセル

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 「よお、今日三村くんに連絡帳届けるのは誰だい?」  ユウキが年長者の威厳を保つように、胸を張りながら尋ねた。  放課後、一年二組の教室の前で4人は授業が終わるのを待っていた。ユウキの弟は一年一組のため、弟経由で今日誰が欠席なのかあらかじめ調べてもらっていた。  答えてくれたのは一年生の女子で、上級生相手に少し緊張しながらも丁寧に応対してくれた。 「サクラちゃんです。あそこにいる……」  指さす方向に目をやると、少女がランドセルに教科書を詰めているところだった。4人は女の子にお礼を言い、サクラちゃんが教室から出てくるのを待っていた。 「やあ、サクラちゃんだよね」  少女はビクッとして4人をそれぞれ見回した。 「今日休んだ子に話を聞きたくてさ。ほら、例のランドセル事件。よかったら俺たちもついて行っていいかな」  少女は不審そうに4人を見ていたが、やがて先生をチラ見したあと 「いいよ」  と承諾した。
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