コンビニ

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 「 そういえばさ、 もうすぐ誕生日だよね? 何が欲しい? 」 5月もすぐそこまで来ているが夜はまだひんやりしていて寒そうな彼女に自然と寄り添ってみると俺の肩に頭を添えてきた 。 「 それ本人に聞く? 」 「 だって何がいいか解んないだから仕方ないじゃん 」 他愛ない会話さえ心地良いと感じていると不意に俺の肩にもたれていた彼女の頭が離れキラキラと輝く瞳で俺を見た。  「 欲しいものあった! 」 「 なに? 」 「 ふふふ。 赤いバラの花束 」 「 バラの花束? ずいぶん珍しいものを選んだね? 」 「 うん、 まあね! 」 「 まあいいよ 。 ちゃんと用意しとく 」 「 108本にしてね! 」 「 え? なんで? 普通は年の数だけ、 とかじゃないの? 」 「 だーめ!! 108本じゃなきゃ嫌なの! 」 何故か解らないが彼女は新しい悪戯を思い付いたように楽しげだったのが不思議でコンビニについて彼女が商品を物色している隙にこっそりスマホで『 赤いバラ 108本 』と検索すると花言葉が真っ先に候補に出てきた。 なるほど。そういうことか。 ならばお望み通り108本のバラの花束に指輪を添えてやるよ。 ついでに見つけたブルースター? って花と共に……。  帰り道、「 月が綺麗ですね 」と言えば彼女はなんて答えるだろうか? 互いに笑い合う二人のまわりには 、ほんのりと優しい春の香を纏う薄紅のハートがひらひらと舞い、 月が笑っていた見ていた。 fin。
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