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二十八歳は結婚して子どもがいてもおかしくない年齢だが、新しい恋を始めたからといって、「もういい年なんだから現実を見なさい」と咎められる年齢でもない。美波の新しい恋の始まりに話は盛り上がった。
「うーん、彼氏いない歴の長い身には刺激の強い話だなあ」
千尋が言うと茜が「私も」と同調する。
「何言ってんの。あなたにはダイちゃんという立派な恋人がいるでしょうが!」
美波に突っ込まれると茜は「もう長すぎてトキメキ忘れたわ」と言ってグレープフルーツジュースを飲み干した。最近少し疲れ気味だから酔っぱらいそうだと言って、本来は酒好きの茜がソフトドリンクばかり飲んでいた。
二十時を過ぎたころ、千尋が李花に向かって言った。
「李花、終電は大丈夫なの?」
それを聞いた李花は目を大きく見開き、思わず笑いだした。
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