4人が本棚に入れています
本棚に追加
室内灯が灯る、白一色の病院待合室。鼻につくのは消毒薬の臭い。とはいえ心苦しさを覚えるのは、それだけが理由じゃない。
続く沈黙。マリアが治療室に入って数十分。俺やオッサン、ソウイチロウ達が会話を繰り出すが長くは続かない。待ってる時間が苦痛だ。
俺の両手には真っ白い包帯が巻かれている。全治数週間の火傷。俺なら数日で完治する自信がある。
「おじさん、マリアは無事なのかい?」
そこに別の誰かが現れた。
「レイ」
ぼそっと言い放つオッサン。
「うちの親父に言われてね。マリアの住んでるアパートが火事になったって」
それは王城だ。後方には弾正を従えている。
最初のコメントを投稿しよう!