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読んでる途中から
床にペタリと尻をついて
身体から力は抜けていた。
か弱い文字のうえに
涙が落ちた・・・。
慌ててそれを拭うのだけれど
次から次へと涙が落ちる・・・。
震える指で俊明の父上からの
手紙を開けると
予告通りのことが
したためられていて
思わず拳が床を突く。
彼が一体何をしたというのか・・・
何故、彼が未来を
生の再来にしか求められないのか。
ただ時代のせいだと
諦めるしかないならば
報われぬ魂は
行き場などないじゃあないか・・・。
哭けば哭くほど
憤りにも行き場はない。
呆然とする僕を
窓を叩いて風が呼ぶ・・・。
裸のマンサクの木が
月を背負って僕を見ていた。
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