今度はきっと・・・!

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「おかえりなさい」 廊下を駆けてくる幼い子、 後ろから妻が その後ろから老親が二人。 「お仕事、御苦労様」 家族が出迎えてくれて 安堵が胸に拡がる。 風呂と妻の手料理、 一家団欒・・・・ 戦後わずか四年で 矢継ぎ早にくる復興工事で 地方へ出向く技師の私の 至福のひととき。 そう、この何処にでもあるヒトコマが 数年前には困難であった日本。 命拾いの帰国から 紡ぐようにつくってきた。 (留守中、何事もなく・・・  ああ、よかった・・・) やすらいだところで・・・ 郵便物の確認のために 書斎へ入った。 幾つかの手紙は仕事関係、 他の二通は・・・   松嶋 俊明   松嶋 俊郎 二人は親子で、住所は同じ・・・。 俊明からのものは 二ヶ月以上も前の消印。 父上からの手紙の消印は 五日前のものだった。 過る不安に急いで 俊明の、戦友の手紙から 封を開けた・・・。
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