大人に。

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大人に。

わぁぁぁん、と大きな声で泣き出した倫子に兄の道治は手を添えた。 「何があった?」 「わか、別れたぁ。」 「好きだったのに?」 泣きながら頷く。 「それでさおちゃんとお付き合いしてるのか?」 「し、知らない!携帯変えたし…。」 「別れるって、どっちが言い出したんだ?」 「……わたし。」 それを聞いた道治は本当に意味不明な顔をして、倫子に訊き返す。 「なんで?」 「だ。だって、倫也さんは大人で沙織さんも大人で、私は子供で全然ダメで…恋愛怖いし、裏切られるの怖いしいつまでも引き摺って…いつまでも子供なんだもん…。仕事の邪魔しちゃうしぃ〜〜〜。」 しゃくりながら話して一気に泣き出す。
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