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「倫子?高校生じゃないんだからさ?寝たくらいで大騒ぎしないでよ。好きとか嫌いとか聞いてどうするの?前から思ってたけど、倫子ってクソ真面目だよね?面倒臭いっていうかさ、そんな女から彼氏取ったりしないって!もっと楽に考えようよ。彼氏は寂しくて代わりが欲しくてそれを親友がしててくれた。彼氏の面倒を見てくれてた、それでいいじゃない、感謝して欲しいくらいよ?」
「…な、に、言ってるの?浮気だよ?灯里だって、代わりなんてそんなの嫌に決まってるし、親友だからいいって…親友だから嫌じゃないの!」
「倫子、頭硬い、めんどくさ!」
立ち上がり歩いて来て、灯里は玄関横の流しの水を出しコップに入れて飲み干して、ダンッと流しにコップを強く置いた。
「あのさ、体の相性が良くて楽しんでただけ!付き合うとかないから安心して?」
「付き合わないのに…したの?」
「そうよ?」
「これからも?」
「大学の間はするんじゃない?時間も合うしアパート近いし?拒否する理由ないし?」
灯里が別人に見えて、意味不明で頭が真っ白になって、心は真っ黒になった。
「悪いと…思わないの?」
ボーッとした頭で聞いた。
「スポーツみたいなものでしょ?温泉で卓球して悪いと思うの?」
「灯里!止めろよ!」
灯里の手を大悟が掴んだ。
ポロリと目から滴が流れた。
「大悟は?大悟も同じ考えな、の?」
「違う!倫子!」
「触んないで!!」
触れようとした大悟の手から体を引いて叫んでいた。
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