赤い部屋の顔たち

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   すぐ目の前には、マハー・カミラさんの顔があった。僕は縛られたまま、マハー・カミラさんの胸の中にいた。  これって、もしかしてお姫様抱っこされてるのかしら。   「お前は恐怖で失神し、うわごとをつぶやいていた。『はるな』というのは人の名前か?」  マハー・カミラさんの声って、まるでナイフのように研ぎ澄まされてる。 「お前から没収したスマホの最初の画面に入っていた」  マハー・カミラさんの声って、不気味なほど静かだった。スマホのホーム画面のツーショットを僕に突きつける。   「お前といるのが『はるな』だな。説明してみよ。この女の正体だ」       
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