起死☆回生

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 降ってきた物を拾ってみると、それは確かに"人骨"だった。震える古田の横で、男が「あ」と声をあげる。 「これ......僕だ」 「はぁ!?」  どうやらこの男の死体は、自殺が起きた事を隠そうとする大家によって、ここに遺棄されたらしい。本当に怖いのは人間......といったところか。 「......ありがとうございます。これで僕も成仏できます」 「......まぁ、良かったな」 「えぇ。では、さようなら......」 男はそう言って手を振ると、眩しく輝いて散った。どうやら俺は、成仏の瞬間を目の当たりにしたらしい。 「......ジジイはいいのかよ」 「ほっほ。わしはここで、死のうとする人間に説教をさせてもらうよ」 「......そうかよ」 あっさりとカッコいい事を言われてしまった。古田はポケットに忍ばせておいた煙草を吸って、どこまでも続く空を見上げた。  「いやぁ、いい話ですねぇ」 「何だよお前」 翌日。朝日の眩しさに目を覚ますと、昨日成仏したはずの男が座っていた。 昨日のあの感動は何だったんだ? 古田は図々しく食事を摂る男に向かって、枕を投げつけた。
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