うそつきリーエとおうじさま

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うそつきリーエとおうじさま

…あるところに、リーエというおんなのこがいました。 リーエはうそつきで、むらのみんなにうそをついては、みんなをこまらせていました。 きょうも、おばあちゃんに 「あしたゆきがふるよー!」といってぼうしとてぶくろをつくらせたり、 おにいさんに 「あっちにおおきなカブがあったよ!」といってはしらせたり、 きつねに 「りょうしが、てっぽうもってやってくるよー!」といっておどろかせたり… そんなリーエですが、むらのひとたちは、きらってはいませんでした。 あかるく、げんきなリーエなので「しかたないなあ」といって、わらってゆるしてしまうのです。 うそをつきまわったあとは、もりにいきました。 きりかぶで、ひとやすみしようとおもったのです。 おや? さきに、きりかぶにすわってる、ひとがいるぞ。 リーエはそのひとにも、うそをついてやろうとおもいました。 「こんにちわ」 「こんにちわ」 さきにきりかぶにすわっていたのは、おとこのこでした。 おとこのこは、しっかりしたふくをきていて、おかねもちのようにみえました。 「ここはおおかみがやってくる、こわいもりなのよ」とリーエはおどろかしてやろうとおもって、いいました。 「そうなんだ。おしえてくれてありがとう。すぐにかえるよ。きみはやさしいね」おとこのこはいいました。 リーエは、かおをまっかにしました。 そんなふうにいわれたことが、なかったのです。 おとこのこは、かえってしまいました。 リーエは、おとこのこをすきになってしまいました。 すぐに、おとこのこのあとを、おいかけました。 もりからでると、おおきなおしろが、たっていました。
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