ものしりドラゴン 1

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ものしりドラゴン 1

…あるおかに、とてもかしこいドラゴンがいました。 ドラゴンはかしこくて、とてもながいき。 とてもながいきだから、いろんなことをしっています。 むらのひとたちは、そんなドラゴンによく、そうだんしにいきました。 あさ、むらのおんなのこが、ドラゴンのところにやってきました。 「ドラゴンさん、わたし、すきなおとこのこがいるんです。すきっていいたいんだけど、はずかしくていえないの。なんていったらいいかな?」おんなのこはドラゴンにききました。 ドラゴンは、ながいくびをおんなのこにむけ、こうこたえました。 『ずっと、そのこのそばにいてごらん。それがなによりのことばになるはずだよ』 おんなのこは「ありがとう、ドラゴンさん。」とかえっていきました。 …おひる、ドラゴンのところに、とうげいかがやってきました。 「ドラゴンさん、よいつぼが、ぜんぜんつくれないんだ。どうしたらいいかな?」とうげいかはいいました。 ドラゴンはすこしかんがえると、おおきなめで、とうげいかをみつめました。 『だいちに、みみをかたむけるといい。つちも、みずも、きも、だいちも、すべてはいきている。かれらのこえを、ききなさい。そうすれば、しぜんとこたえは、みえてくるはずだよ』 「なるほど、やってみます」とうげいかはかえっていきました。 ドラゴンは、とてもつよくて、とてもかしこくて、とてもやさしいのです。
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