胡蝶の夢

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扉を開けたその先の景色を見て、驚いた。 そこには、今までいた部屋と全く同じ部屋の景色が広がっていたのである。 家具はなく、ピンク色のカーペットが敷いてあり、今の部屋と全く同じ位置に焦げ茶色の扉が備え付けられていた。 唯一違うところといえば、ドアにかかっているプレートの日付である。 その日付が「6月20日」と彫ってあるものに変わっていた。 一日進んでいる。 私は、そのプレートの文字をじっと見つめたまま、ドアノブを右に勢いよく回して力を込めて押した。
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