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目を開いた。
一番最初に、見慣れた自分の部屋の天井が視界に飛び込んできた。
クリーム色で、丸いライトが見える。
ああ、ここは私の部屋だ。
安堵で、力が抜ける。
ゆっくりと、上半身を起こす。身体は、夢の中のように、重いままだった。
汗と涙で、枕やシーツは濡れていた。
この世界が現実なのか、はたまた夢なのか分からなくなりそうだった。
ひょっとしたら、あの無限に続く部屋の中が現実かもしれないとさえ思った。それほど、あの部屋にいた時に感じた絶望感と閉塞感は、自分が「現実だ」と認識している世界のものと近かった。
ベッドの上で身体を起こす。
私は、このまま、この世界に何も生きた証を残さないまま、夢の中のように死んでいくのだろうか。あの扉の先に進んだら、世界は変わるのだろうか。
膝を立てて、そこに顔を埋める。
時計の秒針が、流れている時間を均等に刻んでいく。
私は、顔を埋めたまま、小さく呟いた。
どうか、どうか、この世界から私を
救ってください。
誰か、この孤独な世界から私を見つけて、そして高い所まで引き上げてください。
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