胡蝶の夢

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「お疲れさまでした」 時刻は、定時退社時間を少し過ぎた頃。 まだパソコンに向かって難しい顔をしながら仕事を続けている何人かの先輩たちに、頭を下げて職場を後にした。 私は公務員として、小さな市の市役所で働いている。 毎日決まった時間に仕事に行き、帰ってご飯を食べて、ぼーっとして、お風呂に入って寝る。 その繰り返しだ。 何の変哲もない一日を、無為に過ごしていく。 今日が、何曜日かもたまにわからなくなった。 それくらい、毎日変わりばえのしない日々を過ごし、気がついたら社会人三年目になっていた。
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