旋律

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へし折った刃をその命に見立て 嘸かし無下に喚くのだろう 貴様が奏でる音は どこか私に似ているのだから 雲の切れ間から零れ落ちる 陽の抱擁に 自分だけがと...自惚れ果て 彷徨う心 救い難し 引き裂かれても 髄が砕かれようとも アナタの傍にいると決めた 結ばれない そんなことは それこそ私の心が一番 分かっている 強くなりたいと思う気持ちは それよりも強いモノに容易く 葬られてしまうのか 縛られた椅子に座る 私自身は縛られていないのに 動けない 壊れる程の思いを捧げれば 壊れるのは自分だと 知った夜 構わないさと呟いた あの記憶はもう遥かな夢 ならば全てを壊しましょう 譬えこの身が砕かれようと 命は消えない 心は消えない 思いは消えない 微かなる音が聞こえる 意思の奥から聞こえる 私が生きる奇跡 それはそう...この音だ 血が走る 肉が波を打つ 暴れ狂う 脳内麻薬 蛆の如く這いずり廻り いつの間にか朽ちて逝く 何を得たのか知らぬままに 何を壊したか知らぬままに 壊れた己に気づけぬままに 結局私は何も守れはしなかった あぁ・・・・・・また、あの旋律が 今宵も私を蝕んでゆく 貴様が奏でる音は 私の鼓動そのものなのだ
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