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『そろそろできたかな』 霊夢が長めの棒でたき火からさつま芋を引っ張りだす。 『はいアリス、すぐに食べない方がいいわよ、火傷するから』 「ありがとう」 新聞紙に包まれたさつま芋から湯気があがり相当な熱をもっているのがわかる 外側が少し冷めた頃をみて新聞紙を破ると中から大量の湯気を纏った焼き芋が顔をだし、皮を破れば黄金色の中身があらわれて良い香りがあふれてきた。アリスが焼き芋に息を吹きかけて一口噛ると口内に熱い蒸気とともに甘い味が溢れ、ほこほことした身が転がる、身を噛めばほこほこした中にうっすらと蜜が流れ更に甘さを加える。 「あふ・・・ほふ・・・甘~い、でも熱い!」 『もう、すぐに食べると熱いって言ったでしょう、アリスったら』 霊夢はたき火の中に入ってたアルミホイルを火ばさみで引っ張りだして破ると大量の湯気とともに栗がでてくる、栗を一個取り出し爪をたてて剥き、更に渋皮を剥がすと焼き芋と同様に黄金色の身がでてきた。身をほぐして一口運ぶと栗特有の風味と甘さが広がる。 『美味しい~』 「霊夢熱くないの?」 『私は大丈夫よ、アリスも食べてみなさい、ほら』 霊夢が栗を一口サイズに割ってアリスの口元に近付ける。 「あ・・・うん、ありがとう」 アリスが少し恥ずかしそうに口を開けると霊夢の指とともに栗が滑り込んでくる 「・・・美味しい、ほくほくしてる」 『でしょう?』 霊夢はアリスの口に入った自分の指をペロッと舐めると再び栗に手をだす、その瞬間をみたアリスが思わず赤くなり、それを隠すように焼き芋をうつむきながらむさぼると詰まったように咳き込む 「!?えふ!えふ!」 『ちょっと、大丈夫!?ほら、お水』 「ありがとう、えふ!」 渡された水をクイッと飲んで、落ち着かせる 『なにも焦って食べなくても』 「ん・・・ごめん」 『あ・・・アリス』 「え?」 霊夢が突然アリスに顔を近付ける 「ちょっ霊夢!?」 アリスがいきなりの事で動揺していると、霊夢に頬を少し撫でられる、その指には焼き芋の欠片が持たれていた。 『急いで食べるから付いちゃってるよ』 そう言って霊夢は欠片をパクッと食べた。 「・・・・///」 『?・・・もしかして何か期待してたの?』 「///いじわる!!」 『うふふ・・・後でちゃんと埋め合わせするよ』 霊夢はアリスの頬を再び撫でる 「・・・約束よ///」 アリスはそう言って霊夢の優しく撫でる指に顔を委ね、たき火はパチパチと息をして二人の空間を暖め続けた。
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