1章

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パシャッ 熱い ぽたぽたと落ちていく雫達 俺は今頭から何を被ったのだろう あぁ紅茶か 俺の恋人をとったこいつに 今も尚、俺の恋人の膝に座ってニヤニヤしているこいつに 俺は熱い紅茶をかけられたのだ _____________ ________ ここは私立高校、が、ただの私立高校ではない。この学園に入るには、ある程度の財力や頭脳、運動力がなければならない。なので殆どが金持ちだ。 そして、女子が一切いない男子校 しかも山の上 まさにこの学園は鎖国状態だった そんな状態からかこの学園にはあってはならないものができてしまった 腐女子、腐男子と呼ばれる方達ならもうお分かりだろう そうホモ大量発生である。 生徒のうち7割はホモ、2割がバイ、1割がノンケという腐女子、腐男子の方々からすると聖地とも呼ばれる学園となってしまったのである。 なので他の高校には無いような特殊な決まりが多少ある。 生徒会が『抱きたい』『抱かれたい』ランキングで構成されていたり、そのランキングで人気が高いある特定の生徒に親衛隊というものがあったりする 因みに俺もホモ 最初はノンケだったけど3年もすればこの通り 恋人だっている まぁほぼ終わってるんだけどさ その恋人っていうのがちょっと、いやかなり大物 生徒会の副会長であり 俺が大好きだった人 羽澄(はすみ) 静哉(しずや) 誰もが見惚れてしまうような美しさ 膨大な財力を持ち 生徒会を支えてきた中心的存在 その人気は恐ろしく、生徒会長と並ぶ程だ 生徒会長と人気がほとんど同じなんてまずない 別に生徒会長が劣っているなんてことはなくこの人が凄すぎるだけだ そしてこの完璧すぎる人物に憧れを抱いた俺は1年生の時、羽澄 静哉の親衛隊員となった。 2年生になると前生徒会が卒業すると同時に羽澄 静哉は生徒会副会長に就任。同じく俺も生徒会副会長、羽澄 静哉の親衛隊長となった。 3年生になった今でもそれは変わらない。 俺と羽澄には信頼関係が成り立っていた。 だが、3年生になって俺達は信頼関係以上のものを求めていくようになった。 気づけば俺達は恋人になっていた。 しかし、それは俺達だけの秘密。 俺は副会長の親衛隊、羽澄は副会長 そんな俺達が恋人だと周りにバレてしまえば、否定されるのは目に見えていたからだ。 まるでロミオとジュリエットの様だと今思えば笑ってしまう。 会う時は周りの目がない場所でこっそりと 誰にもバレないようメールで会話 通りすがりに会えば目を合わせて小さく微笑見合った 俺は内心バレないかドキドキしていたが、2人だけの『秘密』が何だか楽しくて嬉しかったのを今でも繊細に覚えている。 さてさてそんなわけで少し戻るが、どうして結構上手くいっていたはずの俺達が今こんな風になっているのか それは今羽澄の膝の上でニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべているこの青年が原因だろう。
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