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2.2-core.
/いつものように学校に着いた。1番乗りの僕はクラスを独り占めしたような気分でいて優越感...孤独感?が心地よいと感じていた。 だけど、僕は何処かで何かが起こる気がしていた。 それはよいことが起こる予感/
朝のHR。担任がいつもより遅れて来た。そして、担任と一緒についてきたのは見覚えのある少女だった。アニメでよくあるようなテンプレート的な展開だろうかと一人盛り上がっていたのは内緒だ。
「彼女は転校生。凪葉凛さん よろしく ハイ自己紹介」
急に振られてびっくりしたようで彼女は、1歩下がった。その様子にクラスの女子はかわいいと言っていた。
女子はなんでもかわいいというけどそれは本心ですか?なんてね
「凪葉凛。波凪市から来ました。...高校生です?」
「なぜ疑問形」
思わずツッコンでしまった。普段、モブキャラな僕が唐突に発言したからかクラスは大爆笑の渦になっていた。なぜ?
「よろしく」
口元が上がって微笑む彼女に僕は一目惚れした。だけど、確かに彼女は昨日の彼女だ。偶然なのか?いろいろと混雑した情報量に僕は考えるのをやめた。そして、バックから昨日の香り紙を取り出した。
***
授業が終わり放課後。
僕は、帰路についた。今日は友人は虫歯で歯医者に行くとか言って走って帰っていった。一人で学校を出ようとしたとき後ろから肩をトントンとされて振り返ると彼女がいた。
「凪葉さん?」
「凛ってよんでよ みなとくん」
なぜ、彼女が僕に声をかけたのかは知らなかった。だけど、昨日の彼女とは違って微笑む顔に僕は癒された。
「これ キミの?」
「そうだよ。私の香り。私自身の意識で自分であることを主張するもの」
「僕が持っていていいの?」
彼女はそう言うと、ブレザーのポケットから何枚もの香り紙を取り出した
「予備はたくさんあるの」
/僕はこの日、なんというか温かい気分だった。もちろん景色は雪だらけで寒いんだけど/
「でも、これ香りは普通の人では感じないの。魔法少女出ない限りね」
「えっ? だけど 僕はその香りがしたときドラッグストアにいたんだけど,
店員の人もわかってたみたいだったよ」
「それは、君が持っている元々の香りだよ。魔法が使える人は魔法少女にしかわからない香りと体臭として香るものがあるんだ。それぞれ香水のような香りがするんだよ」
魔法少女に魔法。彼女は本気で、まじめにそう言った。決して、夢見る少女ではなかった。
「でも、僕は男だから魔法少女じゃないね」
「そうね。最初から信じてもらえるとも思ってなかったけど、話が早くいいわね。でもみなと君が言うほど魔法少女は華やかなものではないし数自体も少ないのよ」
「そして、私がここにいるのは私が一人でいることが寂しいのと秘密を共有したいから。王様の耳がロバの耳だっていう風にね」
「僕は木ですか?」
「あははは」
初めて見る凛の大きな笑い顔は、純粋におかしくて笑っているというよりもつらい中で見た つかの間の休息的な感じだった。
「この後空いてる? 秘密教えてあげる」
/この後で、僕はこの世界の核となる事象を目の当たりにするのだった。そこには、凛以外の魔法少女たちによって維持されたこの世界のシステムがあった。そこで僕は知るのだった。 僕らがこうして今日も寒いながらも凍ることなく生きているのは彼女たちのおかげだと.../
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